17 Mar 1997
■まもなく小倉にきて一年になる。こちらの言葉もずいぶん使えるようになった。小倉弁は簡単だ、ようするに「ち」とか「ちゃ」を最後につければよいのだ。
■しかし、長らく私はこの両者の区別がついていなかった。適当に言えばいいのだと思っていた。しかし「ち」と「ちゃ」は厳密に使い分けられているようだ。
(ちょっとあやしい小倉弁)
「東京で、たまごっちっち、はやっとるちよ」
「たまごっち、なんのたまごちゃ?」
「たまごじゃないっち。たまごっちちゃ」
(共通語訳)
「東京で、たまごっちって(いうものが)、はやってるってよ」
「たまごって、なんのたまご?」
「たまごじゃないって。たまっごっちだよ」
■わかりにくいが、「ち」は共通語でいう「て」。「ちゃ」は「さ」とか「だよ」のように語尾の装飾に使われているようだ(たぶん)。
■ところで、「たまごっち」。なかなか良いコンセプトのおもちゃだと思う。バーチャル時代のペットとかいって、最近の世相を分析してみるエッセイや記事をみかけるが、現在の若者の意識と「たまごっち」は、いうほど関係ないように思う。たとえばあれが、10年前にできていても、やっぱりはやったろだろうから。要はアイデアである。
■さて、こいつの今後の展開であるが、次にくるのは、交配と生殖あそびではなかろうか。そだてるだけじゃなくて繁殖しちゃうの。友だちの「たまごっち」と掛け合わせると、まったくあたらしい子がうまれる。なにが生まれるかは、ちょっと複雑な理論が必要。
■とうぜん、本体には、繁殖用の端子(性器)がついているのである。あと、プリクラみたいなのと連動して、ゲームセンターにあるステーションで、新しい品種のデーターを購入できるとか。自分の顔を取り込んじゃうとか。
■ここまでくると、べつにそれは「たまごっち」じゃなくてもいいかもしれない。おてがるに、自己を投影できる電子生物。コンピューターだって、まさにそんな感じだもんね。あたらしいOSとかソフトをのせて、自分好みに仕立てていくあたりが。
■大事なのは、手のひらサイズでいつも持ち運べるということ。だれか開発しません?こういうおもちゃ。いつもあなたの手の中に。
■商品名は「にぎりっぺ」っての、どう?
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