【狂2】情報ならなんでもいいのか

94/7/19

■情報ならなんでもいいのか、という激しい問いかけに、結論から先に答えてしまえば、情報ならなんでもいいのである。

■よく、「必要な情報」という言葉が使われることがあるが、この場合の「必要な情報」とは、「手に入れられるとわかった途端に必要だと思えるようになった情報」といった方が正確である。「必要な情報」とは「テレビ欲しくてたまらない」とか「ナタデココのない生活なんて考えられない」というような、モノに対する欲望と同じように説明できる。

■この場合、テレビもナタデココも実は「必要なモノ」なのではなく「手に入れられるとわかった途端に必要だと思えるようになったモノ」なのである。どんなにあなたが「タイムマシンや燕の小安貝がどうしても必要なのだ」と叫んでも、人々はあなたを無視するだけである。

■この世に「必要なモノ」が存在しないように「必要な情報」は存在しないのだ。情報に対する本質はその内容ではない。問題はいかにその情報をほしいと思うか(思わせるか)なのである。

(例)
「癌です」
「ガーン」
「CTスキャンの写真あるけど見ますか」
「見ます」
「あなたの癌遺伝子の構造が解りましたけど知りたいですか」
「知りたいです」
「癌細胞をちょっと切取りましたけど触りますか」
「触ります」
「こんなことしても、あなたの癌自体が治るわけでもないんですけどね」
「解ることはとりあえず全部、解っておきたいんです」

■この場合、事実が情報を生産しているのではなく、情報が事実を生産していることに 注意しなければなりません。

(例)
「昔はね、ソロモンにサイクロンなんてこなかったよ」
「ほんとですか!」
「このごろは、毎年のように1000km東の海域にサイクロンが発生しただの、3日後には村を直撃するだの、物騒でたまらないよ。まったく、いやだねサイクロンは」
「じゃあ昔は、この村も安全だったんですね」
「いや、ときどき突然おおきな嵐がおきて、村中吹き飛んだよ。」
「・・・」
「昔はね、ソロモンにはマラリアもなかったよ」
「でもときどき、変な病気で人が死んだんでしょ」
「そうそう、変な病気たくさんあったね。昔は呪いかけるやつ多かったから」

■次回は「本当に情報ならなんでもいいのか」についてです。お楽しみに。

【今日の情報】
関西では「マクドナルド」のことを「マック」と呼ばずもっぱら「マクド」と呼ぶが、このあいだ「マッキントッシュ」のことを「マッキン」と呼んでいる関西人がいた。この場合、「キ」の部分にアクセントをおいて発音すること。

(例)ダウンタウンのマッチャン


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