このあいだのカヴァパーティのこと

[KOK 0014]

08 Oct 1996


てごろな場所がなかったので、北九大のキャンパスの芝生を会場にした。時間は夜の6時からであった。授業で呼びかけたりしたが、正直いって何人くらいの人が来るのか不明であった。

kava

それに、カヴァはまあ、お茶みたいなもんではあるが、いちおう典型的なダウナー系の向神経薬である。なかなか、参加しにくいのではないかと思っていた。

盛況であった。二十数名のみしらぬ学生たち(といっても授業をとっているのでむこうはわたしを知っている)がきた。わたしは、大学の先生らしく、簡単なレクチャーを施すと、実習にうつった。

予想外の人数だったが、フィジーから仕入れてきたカヴァは大量にあった。最初の頃は、ともかくカヴァ汁を絞りながらホスト役に徹していた。友達づれで遊びにきた人もいたが、けっこうひとりでふらっと参加した人もいた。いい度胸である。そんな人は、まわりに知っている人もおらず、ちょっとぽつねんと座っていったりした。しかし、やがて、きれいな車座ができた。

だが、カヴァはお酒とちがって、陽気になるわけではない。むしろどんどん口数が少なくなって陰気になる飲み物である。どうなることか、興味津々であった。

5杯6杯と席は進むが、みななかなかカヴァの力を感じ取れないようであった。「ぜんぜんきかんぞー」と文句をたれるやつもいた。セッティングは必ずしもよくなかった。たしかに、眠くはなるのだが。10月の夜の外気はあまりに冷たすぎたのだ。さむさに対する体の防御反応が、カヴァのけだるさに身を任せることを拒否しているようであった。

けっこう飲んだ。腹ががぼがぼになった。そのあと、4号館のゼミ室に移動して、おでんをたべて総括をすることにした。ゼミ室は暖かくて、なおかつカーペット敷きの床に座ったので、このときになって、なんにんかの人が、カヴァの効用を感じ始めていた。床にころがっている人もいた。はじめからここですればよかった。

だらだらと雑談が続いた。きていたのは一年生が多かったが、さすがにカヴァパーティにみずからやってくるだけあって、なかなかにおもしろい人たちが多かった。収穫であった。「またあそびましょう」と約束して、カバパーティはお開きとなった。

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Takekawa Daisuke