小倉の胃袋

[KOK 0022]

20 Nov 1996


旦過市場

旦過市場と黄金市場での人類学実習が先週の土曜日にありました。参加者は20名あまりでした。

課題としては「いままで自分が見たこともない食べ物」「こんなもの食べれられるんかいなといった食べ物」「とにかくちょっとおもしろい食べ物」を各自500円以上1000円以下の範囲で購入し、その際に、かならず店の人に、その食材の由来と調理法と効能を聞いてくるようにというものでした。

しかも、最終的には、それら食材を工夫してゼミ室で鍋をするのです。

もしかしてあんまりおもしろいものは、集まらないのではないかと、ひそかにおそれていたのですが、みなさんこの実習の趣旨を、非常によくつかんでおりました。それに、さすがは雑多な小倉を象徴する旦過・黄金、けっして期待を裏切りません。けっこう変なものがでてきました。

旦過市場 報告をかねていくつか紹介します。

ポンポン。いきなりポンポンです。白いゴムのような物体です。なかなかかみ切れないけどうまいです。きけば牛の頸動脈だそうで、どうしてポンポンなんて名前なのか、その辺も追求してほしかったのですが、不明です。

アキレス腱。やはりモツ系は、危険なものがたくさんあります。牛のアキレス腱です、長さ30センチほどの2本のパイプ状の白い物体です。でかいです。パイプは引っ張るとコキコキ動きます。異常にかたいです。味もしみこみません。どうしろというのでしょう。

魚の内蔵。こんなものまで売っています。魚の内蔵です。アンキモとかそういった「きちんとしたもの」ではありません。ビニール袋のなかにごったまぜです。なかはどろどろで調理人泣かせです。なんでもメバルかなにかの内蔵だそうで。200円は高いか安いか。高いようなきもします。

トルコ松茸。一箱1000円のところが棚落ち品で500円です。30本ちかくはいっています。棚落ち品というところがいたかった、けっこう腐ってるのやかびが生えているのもありました。においは、松茸を知っている人にはまあ松茸ですが、知らない人はカブトムシの箱の中のようだといいました。不幸です。彼は生まれてはじめてかいだ松茸のにおいをカブトムシの箱と理解してしまいました。たしかに、そういわれると、本物の松茸の奥底にあり、潜在的に抑圧されているカブトムシの箱のにおいが、かなり顕在化されているブツでありました。

たこ8匹400円。全長30センチほどの子タコです。これは、けっこうまっとうな買い物です。お買い得です。タコは生きておりました。大変美味でした。

巨大ほうれん草。育ちすぎた巨大ほうれん草。ひとたば20円。大は小をかねぬのか。

ミミクリ。これが今日の問題です。肉類です。なにかの動物の、どこかの部位です。色は赤身です。形はちょっとまがった円柱状で、長さは4センチ、直径は2センチほどです。かなりうまいものでした。さて、ミミクリとはいったいなんの動物のどの部位でしょう?正解者には新鮮なミミクリを200グラムおおくりいたします。解答は「こくら日記」ミミクリプレゼントがかりまで。メイルおまちしてます。

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Takekawa Daisuke