[KOK 0273] こくら日記のトップページにとぶ 07 Aug 2006

不透明な携帯電話パケット料金

 

すぐに片が付くと思っていた携帯電話のパケット料金問題だが、4月8日に事態が発覚したあと、一向に問題解決に取り組もうとしないAUの担当者にさんざん引き延ばされ続けたあげく、8月7日の現在にいたるまで解決のめどがたっていない。

携帯電話料金

まずは、こくら日記「誰がために携帯は鳴る」[kok269]「誰がために携帯は鳴る」[kok270]に書いたあとのやりとりが、どのような経緯をたどったのか簡単に書いておこう。

身に覚えのない4000円の料金請求に対して、その根拠を示してほしいと問い合わせをしたのであるが、通常の通信明細と請求書しか送ってこず、なぜこのような課金がなされたのかが明らかになるような資料は一切しめされなかった。

しかたがないので支払いを停止し、交渉にはいった。しかしあいかわらず接続先や接続時間のデータに関しては、「お客様のプライバシーの問題で答えられない」の一点張りで、パンフレットにある割引するプランを提示するのみ。「そのプライバシーの問題という言葉の意味を説明してほしい」といっても、相手はしどろもどろだし、「こちらはお金の問題ではなく課金の根拠を示してほしいだけなのだ」と伝えても、その意味がわからないらしい。

しかもマニュアル通りに答えることしか教育されていない若い担当者は、自分がわからなくなると慇懃な対応に限界がくるのか、急に感情的になって怒り出す。こちらは喧嘩をしている暇はないのだ、相手の1か0かの反応に、話もできずまったく困ってしまった。あげくの果てに「そんなにパケット通信が不審であれば、使えなくできます」などと、とっても親切なアドバイスをくれる。ふむふむ、なるほど。って、ちがうよね。

携帯電話料金

彼女はいちいち上司に確認を求めないとマニュアルにない話はできないらしく、なんど電話のやりとりをしてもまったく話が進まない。結局、その上司という男性にかわると、こんどは打ってかわったように下手に出る。ちょっと露骨なくらいに。どうやら謝り専門係の人のようである。しかしこの人も話をはぐらかし、約束の期日までに回答せず、無駄に1ヶ月あまり対応した。

そのあげく「課金の根拠提示については自分には権限がないので」と相談窓口の統括責任者を名乗る女性に交代した。これが7月の半ばである。いったい彼の仕事はなんだったのだろう?しかも彼は解決を長引かせた咎でその統括責任者にも叱られたといった。まるで謝り人生の人である。おそらく「謝ればとりあえず許す」日本人専用の担当だったのだろう。私がそういう日本人ではななかったのは返す返すも残念である。

しかし、ここまで来るとさすがになにか隠しているのではと疑いも出てくる。対応の合間に担当者が、つい漏らしてしまったひとことも気になる。「実はほかにもこういうトラブルはほかにも多いが、みな請求書どおり払ってもらっている」「私自身も使い始めた当初パケット通信で驚くような金額を請求されたことがある」。なんなんだ?この会社は?

携帯電話料金

統括責任者にかわって事態の進展が期待された。そしてようやく、通信ログの一部を抜粋して送るということになった(決してログそのもののコピーではない)。が、しかし、こんどは対応がおくれたことで部下を叱ったはずの彼女が約束を守らない。「8月13日から海外出張に出るため7月中に資料を送ってほしい」と約束をしたにもかかわらず、今日に至るまでなしのつぶてである。というわけでこの案件9月以降に持ち越しとなりそうである。

非常に残念な結果であるが、AUのこうした対応にすっかり嫌気が差してしまった私は、高い出費であったが携帯契約を完全に解約した。わずか1日目にしてトラブルに巻き込まれ、わずか4ヶ月で幕を閉じた短い携帯人生であった。

結果的に12000円を払って買ったカシオのGショック携帯 G'z One TYPE-R 色グリーンも、今となっては無用の長物となってしまった。こくら日記諸氏で、もし必要な人があれば、せめてかわいそうな私のためにこのカエル君を買いあげてほしい。オークションでは数千円くらいの値が付いているかっこいい機種である。しかもほとんど使っていない新品同様である。

携帯電話料金

さて、今後の交渉はどうなるのだろう

ログを見てから先方と話をするつもりでいるのだが、私がもっとも疑っているのは、パケット通信の課金システムの不備である。コンピュータと同様インターネットでは、画像でもファイルでもダウンロードをはじめるとパケットごとにデータを収集する、しかし通常は完全にダウンロードが完了しないかぎりファイルは端末には現れない(不備のあるファイルをダウンロードしても意味はないので当然の仕様である)。

しかし、どうも、AUではこのダウンロード途中のパケットに対しても課金をしているように思われる。しかも、こうしたパケットは、途中でダウンロードを中止しても、最初のリクエストに応える形であとから端末に送り込まれている可能性がある。料金窓口の人間は知らされていないのかもしれないが、ログの提示という要求に対して、AUがのらりくらりと逃げている本当の理由は、システムに関わる人間はすでにその欠陥に気づいているからではないかとも疑われる。

さて、もし私の推測が事実だとすれば、携帯会社は実際には履行していないサービスをもとに莫大な利益を上げていることになる。全国でこうした被害額を算出したら大変な社会問題となるだろう。こくら日記にはTI関連やマスコミ関係の読者も多い。ぜひともそれぞれの立場から調べてほしいと思う。

ちなみに通常のパケット料金はAUの場合1パケット0.1円である。これでは値段の感覚が分からない。フロッピーデスク一枚分のデータに換算すると、1パケット=128バイトなので1.44メガバイトのフロッピーデスク一枚分でなんと1180円もすることになるのである。実際には送信時にパケットデータが重複するためサイズはさらにこれよりも大きくなるはずだ。非常識ともいえる高額な価格設定である。もともとお金のかからないインターネットを利用したサービスであるにもかかわらず、どこからこんな費用が派生するのだろう。

おそらく携帯会社はパケット通信という実態のわかりにくいサービスを対象に、過剰な課金をして他の費用の埋め合わせをしているように思われる。しかも、なんど問い合わせても彼らはその根拠を示そうとはしない。知れば知るほど実に身勝手な商売である。

(次回:あっけない結末に続く)

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