■いつのころか覚えているだろうか。もう一年以上もまえのことである。奇しくも、あれから100号の狂電が発行された。そして、いま、みたびバジルシードである。
■以前わたしはバジルシードをつかったプリプリ食品をべたほめしたのであるが、本物のバジルシードがどんなものであるか、不幸にしてしらなかった。
■それがいま、ここにある。あのカエルの卵とは似ても似つかぬ、ゴマの半分ほどのサイズの乾いた種が、まさにバジルシード(Sweet Basil Seed - Productof Thailand)であったのだ。
■そしてそれを水の中にひたすと、10分ほどで、いかなる神秘かメカニズムか、不思議のゼリー膜があらわれて、脳髄に響く奇妙な歯ごたえをもった、あの食品が完成するのである。
■まったくもって幸せなことに、それが100グラムもある。粒の数でいうと、たぶん、五千粒以上あるとおもう。贅沢のかぎりをつくしたフルバジルシードのゼリーをつくるもよし、ご飯の上にのせてイクラ丼のようにわさび醤油で食べるもよし、そっと冬の池にかえして春を待つもよし。まさに、至福の一品です。