【狂48】大学解体

94/12/12

■今週はお引っ越しでとっても忙しいんです。私の人類学研究室を含む動物学教室・植物学教室の新館が完成し、いま引っ越しをしております。私のところが最後なので、すでにほかの研究室はあらかたいなくなってしまいました。

■引っ越しが終わりしだい即座に動植物旧館は「解体」される予定です。

■がらんとした旧館は、人がいなくなった途端に、信じられないような廃墟になってしまいました。この変貌は驚くばかりです。住んでいた時は気づかなかったのですが、建物や部屋の中は、異様に古く汚く、夜などは気持ち悪くてお化け屋敷みたいです。

■むき出しにされて冷えきった部屋の中にひとり立つと、人が生活していたということは、いわばカルピスかハウスシチューのコマーシャルのように、ほんわかと暖かいものだったのだなぁ。とつくずく感傷にひたれます。

■この建物がいつ頃に建てられたのかは知りませんが、戦前のものと思われる、怪しい小道具が部屋の中に取り残されていたりします。動物学がまだ博物学のなごりを残していたころの、膨大な標本や図版もでてきました。標本室の中からは即身成仏のミイラが3体発見されたとも聞いております。

■アカセガワ関係やアラマタ関係に興味のある方は、「京都百万遍東に500m北入る」ですので、是非とも一度ご覧になられるようお薦めいたします。すでにいくつかの品物は持ち出されたり所有権の主張がなされたりしておりますが、まだまだ掘り出し物は潜んでおります。私も今日でっかい「脳」の図版をもらいました。

■私の研究室の掘り出し物は、来週以降がよろしいかと思います。


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